


被災した中小零細企業や被災地で起業しているソーシャルビジネスを後押しする制度が必要。
被災地には規模が小さくてもその地域に必要な企業や復興のために必要な組織が多数、存在している。様々な補助制度によって復旧・復興活動が進められているが、いわゆる中小零細企業にまで復旧・復興に向けた資金が充分に回りきっていない状況にある。また、被災後に起業した企業や外部からソーシャルビジネスやNPO を立ち上げた団体を後押しする制度も多いとは言えない。
毛細血管に血が流れることで人の体が正常に機能するのと同じように、復興のための資金は被災地の隅々まで行き届かせる必要がある。特に地域経済をお互いに支えあい、その地域の社会基盤を担っている中小零細企業等にこそ後押しが必要である。
被災地を地盤とする信用金庫と「わがまち基金」プロジェクトを実施し、事業者の復興を支援。
この中小零細企業を支援するため、被災地を地盤とする信用金庫と「わがまち基金」プロジェクトを実施。2013年12月から始動した。
宮古信用金庫、気仙沼信用金庫、石巻信用金庫、あぶくま信用金庫、ひまわり信用金庫の合計5 信用金庫に対して合計25億円を助成し、被災した事業者等を融資できる環境を整えた。
各金庫で融資の対象となる主な案件は、「中小零細ではあるが地域再生にとってはなくてはならない企業」、「既存の補助制度等だけ十分に復興することができない事業」、「被災地復興を目的として新たに立ちあがったソーシャルビジネスやコミュニティビジネス等」で、事業者の負担が軽減される利子補給や事業が円滑に進むための経営サポート等を行っている。
地域に根付いた中小零細企業の復興による被災地の地域経済活性化。
2013年12月から始まった本プロジェクトは、2015年3月末までに、5信用金庫合計で1247件の事業に対して総額306 億円の融資を行った。「わがまち基金」プロジェクトによる融資制度を活用し、新たな雇用を生み出したり、廃業を免れた事例も多数存在している。また、「わがまち基金」プロジェクトは被災地で立ち上がったNPOやソーシャルビジネス事業者が活用できる数少ない融資制度ということもあり、被災地の新たな課題解決に向けた活動の後押しが期待されている。
多くの補助金や助成金が単年度計画となっているが、「わがまち基金」プロジェクトは2013 年12 月から3 年間実施するため、信用金庫も融資先の事業者も中長期的な計画を立てることができている。
プロジェクトデータ(2016年度末時点)
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- 事業名
- 「わがまち基金」プロジェクト
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- 実施団体
- (一社)ふるさと復興基金
(一社)陸中みらい基金
(一財)気仙沼しんきん復興支援基金
(一社)ひまわり復興基金
(一社)あぶくま復興基金
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- 期間
- 2013年12月~2019年3月
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- 場所
- 岩手県、宮城県、福島県
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- 拠出総額
- 25億円
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- 関連URL
- 「わがまち基金」プロジェクト